畳はどれくらいもって、替え時はいつなのか
2022/04/05
畳屋をしていると畳ってどれくらいもつの?と聞かれます
畳って、日焼けをして色が変わっていきますし、表面が傷んでいくことは避けられないですからね。
それで、答えとしては使われる状況や使っている畳おもてによって違ってきますってことになります。
でも、それでは答えになりませんので、畳屋として畳はどれくらいもって、いつ替え時なのか見極め方もお伝えしていきます。
傷んだ畳
20年近く経っているようです
畳おもての材料はいぐさです。
そんなことは知っているよという方は多くいると思います。
いぐさということは天然の草ということです。
なので、日焼けをして色が変わってくるのは避けることはできません。
でも、いい畳おもてを使うときれいに黄金色に変色します。
いぐさは株を増やしながら成長していきます。
それで、5番の株が一番長くなったところで刈り取り、長さで選別をします。
一番長いいぐさを一番抜きと呼び、このいぐさだけで織った畳おもては色も太さも同じなので年月が経ってとってもきれいな黄金色の畳になります。
では、二番抜きはどうなのかというと、4番目の株と6番目の株から構成されることが多いので、色と太さに差が出てくるので焼けたときにムラが出てきてしまいます。
なぜそうなるかというと、古い株は太くて色が濃くなります。新しい株は細くて色は薄くなります。
なので、その差がムラになってしまうのです。
色が茶色くなった畳で色にムラが出てバーコードのようになっているのはそれほどいい畳おもてが使われていないということです。
色はどうなってもいいけど、どれくらい持つんだということを知りたいですよね。
上の写真で畳おもてのたて糸の説明をいたしました。
これが重要なんです。
一番抜きのいぐさから、いい畳おもてを織っていきます。
しかも、一番抜きをたくさん使った畳おもてを織りあげます。
なので、一番抜きで織った畳おもてを使うと、色はきれいだし、丈夫な畳になります。
このような畳おもてを使う部屋だと10年と言わず、20年近く使えるかもしれません。
変わって、綿糸だけの畳おもてになると3番から4番抜きのいぐさを使って畳おもてに織りあげます。
これを畳屋は「糸引き」と呼びます。しかも、この辺りは江戸間の畳にしか使えません。
畳の大きさについてはこちらを参考にしてください
https://igusanokaori.com/admin/newpages/edit/446625/blog/
それで、たて糸が綿糸だといぐさを多く打ち込んで織ることができないんです。
なので、耐久性も落ちてきます。
だから、糸引きで作られた畳は5年も経つと、バーコードのように変色して畳おもても傷んできます。
良く持って10年くらいでしょう。
10年もするといぐさの表面に傷ができてくるので、座るといぐさの切れ端が服につくようになってきます。
表替えできれいになった畳
麻糸と綿糸を使った畳おもて
では、畳を表替えをするタイミングっていつなんでしょうか。
表替えをしないといけない見分け方としては、畳おもての表面にひび割れができてくるとそろそろ表替えの時期となります。
どうしてひび割れをするのかというといぐさが乾燥してくるからです。
なので、日当たりがいい部屋やファンヒーターで暖かい風がよく当たる畳、床暖房になっている畳は乾燥を促進するので早く痛みます。
ひび割れが進むと今度はいぐさの表面に傷ができてしまいます。
こうなってくるといぐさの切れ端が服についてくるので、もう畳の表替えをするタイミングとなります。
これが、普通に使っている部屋でおおよそ10年というところです。
いぐさが服につくようになると、加速的に畳が傷んできます。
そうすると掃除機をかけただけでもどんどん傷めるので、掃除機をかけてもきれいにならない部屋になってきます。
なので、畳屋として畳は10年で表替えをしてくださいとお伝えするのです。
もし、畳の部屋にタンスが置いているとずっと置いてあると思います。
ということはタンスの裏にはホコリがいっぱいになっているはずです。
掃除をするつもりで畳を替えてほしいですね。
それでも今の畳がどうなのか気になったら近くの畳屋に相談するか、当店へ連絡してください。
そして、表替えになったら畳おもての見本を見て選んでくださいね。
尼崎市、伊丹市、西宮市、宝塚市、川西市、大阪市で畳にお困りの方は当店へご連絡してください。